受験期とレッスン

お教室にも、毎年受験期に入る子が出てくる。

長年、ピアノ指導に携わると、必ずこの受験期にピアノをどうするかで、親御さんの考えも色々と分かれ、ご相談に見える。

受験期も、細々とレッスンに通い、ピアノレベルを落とさず受験に挑むパターン、受験前の数ヶ月間だけお休みし、受験が終わってから即レッスン再開するパターン、完全に辞めてしまうパターン。

受験期に行うレッスンや、学校の部活を考慮してのレッスンは、どの指導者も、曲数を量を減らしたり、好きな曲だけにする等、工夫されているだろう。

1番心配なのは、完全に辞めてしまうケース。これは、殆どが弾かなくなり、技術や読譜能力がガタ落ちし、よほど強い意思がない限り、再開する意欲はなくなってしまう。つまり、今まで培ってきたピアノ技術は、無いに等しいものになってしまうという悲しい結果に(;_;)

私は、どの生徒も、ピアノを生涯の友として、人生を豊かに暮らして貰いたいと常々思っているだけに、そういう生徒がいると、とても残念に思う。
少なくとも、チェルニー30番終了、又はソナタあたりまでいってないと、結局は何も弾けない。
(よくある名曲集中級編等は、大概チェルニー30~40番相当)


ここで、受験期にピアノレッスンに通うメリットを考えてみた。

①勉強の合間の息抜きになる。好きな曲を弾くことで、落ち着く。
②定期的にレッスンに通うことで、生活リズムを崩さずに済む。
③レッスンに通うだけでも、(好きな曲だけでも)、レベルの現状維持が保てる。
④友達や家族とは、受験話ばかりで気が滅入るところ、何でも気兼ねなく話せる大人の存在は貴重。

レッスンに通う子の特徴は、まずは時間の使い方が上手い。
勉強やピアノの時間を確保する為、限られた時間内にテキパキと物事を済ませる事が出来る(受験期に限らず、小さい頃から、そうしてきたので)

ピアノを辞めたはいいけど、結局ゲームやスマホをいじる時間になっていた…とは、よく聞く話。

また、ピアノを弾くことで使う脳は、勉強で使う左脳とは異なり、記憶、思考、聴覚、視覚、触覚、様々な感覚を司る右脳を働かせる。
どちらかに偏ることなく、右脳左脳バランス良く脳を使う事が、更に脳を活発にさせるとは、周知の事実。

志望校合格の為に、塾に行かせることに、全く異論はないが、塾では、問題の解き方を教えたり、どうやったら点が取れるかだけに執着し、子供達は、ただそれを丸覚えしているだけ。これだけでは、自分で物事をよく考え、自発的に行動するという力が衰えてしまうのでは…という危惧もある。

最近の若い人は、ただ指示を待っているだけで、自分が何を必要かを考えて行動する人がいない、とある生徒のママ(大手企業勤務)が嘆いていたっけ(>_<)

受験は、いよいよ本番!レッスンに際しては、各々の先生方と、よくご相談下さいね。お子さんにあった1番良い方法が、きっとあるはずですから(*^_^*)